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WHOの薬剤耐性菌サーベイランス



ネットワーク作り

 「抗菌剤が食用動物へ使われることの医学的影響」は、世界的に緊急な課題となっているようです。
 WHOは、1997年10月から優秀な研究者を世界の国々へ派遣し、耐性菌検出の信頼できるメソッドを使った「実験のグローバルなネットワーク作り(a global network of laboratories)」を行っています。
 WHOが開発したWHONETというソフトウエアは、抗菌剤耐性菌のデータが世界中の研究者によりインプットされ、そのデータを誰でも「患者に対して最も適した治療法がガイドされる」ように配付されます。ことに発展途上国の専門家に対して、実験方法とその結果の入力法などの手順をトレーニングしている模様です。

キノロン系抗菌剤と耐性

 1998年6月に、WHOは再びこの問題でミーティングを開きました。
 いくつものキノロン系抗菌剤が、人間と動物両者に盛んに使われ始め、キノロン耐性が発現したことに危機感を持ったものと思われます。
「Use of Quinolones in Food Animals and Potential Impact on Human Health(キノロン系抗菌剤の食用動物への使用と人間の健康に与える潜在的な影響)」(1998.10)で報告されています。
 キノロン系抗菌剤は、1960年代初頭(1.12修正)に開発され、それ以降新しい抗生物質が開発されにくくなっています。そして、一般的に薬剤開発には、膨大な資金と、永い年月が必要ですが、ことに抗菌剤でそのスピードが極端に減速しました。
 それで、この薬が特定の病気(特にグラム陽性・陰性菌や人畜共通感染症など)に効き目がなっくなっては大変だというので、世界中が協力して、急いで調査と規則作り(regulation)に取りかかっています。

 このリポートによると、耐性菌の発現をモニターすることの5つの目的があります

  1. 医療現場での判断の助けとなる
  2. 新薬開発のために情報を提供する
  3. 予防と管理、そして学問に供するため
  4. 耐性菌(発現)のパターンに特徴(trend)を見つける
  5. リスクアセスメントと抗菌剤の使用について、公衆の意識を高める ことが上げられています。

キノロン系抗菌剤の食用動物への使用

   キノロン系の薬剤がどれほどの量、生産され、使われているかはっきりと把握できないようです。
 アメリカやヨーロッパや日本、そして韓国で生産された正規の特許つきのもの(proprietary products)は、約50トン。そして、キノロンに属する薬剤が70トン。特許なしのもの(無許可のもの)を含むと、どれほどの量になるのか想像ができないということです。
 このリポートによると、キノロン系抗菌剤は、安価でしかも効能が広い薬剤なので、中国だけでも動物に470トン、人間に1350トンほど使われている可能性があると書かれています。

 日本では、薬事法第八十三条により、動物用医薬品は、種類と対象動物、そしてそれぞれに与えてよい量と期間などが規定されています。
 平成8年度の「薬理作用別動物医薬品販売高(薬事工業生産動態統計)」によると、病原微生物および内寄生虫薬(合成抗菌剤と抗生物質)の販売高は、302億9700万円で動物医薬品に占める割合が43.6%でした。

 ところで、ここで問題のキノロン系の抗菌剤の一つ、エリスロマイシンは、動物医薬品検査所の使用基準別表(10.2.1998現在)によると、「牛で食用に供するために屠殺する前21日間であれば、1日量として体重1kg当たり5mg(力価)以下の量を筋肉内に注射できる」。また、子牛は免疫力が弱いので、飼料や飲料水の添加物、そして強制経口投与剤としても使用されているようです。
 その他、動物にはenrofloxacin(エンロフロキサシン),danofloxacin,orbiflacin,difloxacin,oxolinec acid,ofloxacin(オフロキサシン),vebufloxacinが使われています。
 つまり、日本は、主要先進国の中で最もキノロン系の抗菌剤を使っている国の一つです。

 その使用の根拠となっているのが、多分キノロン系への感受性のテストの結果と思います。
 それは、1992年から1994年に全国の家畜保健衛生所で外見は健康な家畜や家禽から分離された、大腸菌8781株、サルモネラ964株、および黄色ブドウ球菌1962株の28種類の抗菌剤に対する薬剤感受性の試験です。
 古いデータなので、どうかとは思いますが、大腸菌に関しては、いずれかの薬剤に耐性を示した株の検出率は、その由来を問わず90%前後ありました。ただし、ニューキノロン系の抗菌剤については、0.8μg/ml以下という高い感受性を示しました。
 つまり、キノロン系だけは、これらの病気に強い効果が期待できるという結果でした。

海外の気になる報告

 しかし、カナダの農業省の「Animal Health Forum-March1998,Volume3,Issue1」によると、「イギリスでenrofloxin(キノロン系抗菌剤)の使用許可がでて、豚の飼育に広範に使われたため、(サルモネラにおける)この耐性が1994年に1%だったものが、翌年の1995年に6%になった」という報告があります。
 また、多剤耐性のサルモネラ(S. typhimurium DT104 R-type ACSSuT)が劇的に流行したとも書かれています。これにより、サルモネラにかかった患者の死亡率が0.1%に過ぎなかったものが、3%に上がったということです。

 こうした報告を考慮して、WHOでは、抗菌剤のより合理的で慎重な使い方を模索しているようです。
 前出の「Use of Quinolones in Food Animals and Potential Impact on Human Health」の11ページによれば、キノロン系の抗菌剤は、畜牛であれば「呼吸器の疾患」と「腸チフス」に限って使用ライセンスを与え、その他の添加物や予防薬としての使用を制限することを考えているようです。

 ともかく、キノロン系の抗菌剤は慎重に使うべきらしいです。ことに、食用動物生産の効率性や経済性を考えるあまり、判断を遅らせていると、人間に効くような抗生物質が無くなる危険があり、それだけ大きな負担(感染症の危険と経済的支出)が免疫力の弱い人や未来の人にかかるかもしれません。


追加資料:

関連URL:
Stop using antibiotics in healthy animals to prevent the spread of antibiotic resistance (2017年) WHO
動物用薬品耐性菌 動物医薬品検査所
動物用抗菌性物質製剤のリスク管理措置 動物医薬品検査所
Office of the Chief Provincial Veterinarian: Antimicrobial Resistance - AMR カナダ農業省
Antimicrobial Resistance WHO
薬剤耐性菌情報 国立感染症研究所
 

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参考文献:
 
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